コラム

ヘラ絞り加工で作られる主な製品を紹介!オブジェ・生活用品など実例も

ヘラ絞り加工で作られる主な製品を紹介!オブジェ・生活用品など実例も

ヘラ絞り加工は、その自由度の高い成型加工方法により様々なものづくりの分野で利用されています。

工業製品、民生部品、果ては芸術作品に至るまで幅広い用途に使用されるヘラ絞り加工ですが、聞いた事はあっても実際にどのような製品にヘラ絞りが使われているのか、よく分からない方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、ヘラ絞り・スピニング加工がどのようなシーン、製品に使われているのかに焦点を当て、その製品紹介と共に実例をあげて紹介していきたいと思います。

「こんな製品もヘラ絞りなら加工できるかな?」といったヒントを得たい方、素材、形状や用途について知りたい方や、ヘラ絞り加工を始めとした金属加工の理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

ヘラ絞り技術が活用されている分野

ヘラ絞り加工は金属の板を回転させながら成型していく加工方法です。
切削加工では実現できない薄板の曲面加工や複合Rなどの成型加工がヘラ絞りの特徴であり、基本的には軸対称の円形が製品の形状となります。

具体的にはガス、空気、水、油、光などが通る、あるいは流れるなどの関係から曲面形状が必須なもの、圧力がかかる形状のもの、あるいは溶接レスで一体成形じゃないと製品として担保できないものなど、ありとあらゆる場面にヘラ絞り成型加工は必要とされています。

ヘラ絞り加工が活用されている分野としては様々なものがあり、特に半導体、航空宇宙、真空、理化学、光学、食品、医療、通信、産業機器などの分野においてはその製品形状からヘラ絞り加工が有益な加工方法となってきます。

 

ヘラ絞り加工で作られる主な製品

上記であげた分野の装置や部品は、総じて形状として薄くて球体、複合的なR、曲面が必要であり、それらは機械加工や通常の板金加工では加工が難しいのが現状です。

あるいは加工できたとしても非常にコストがかかり、数が多ければ1個あたりの生産コストは下げられますが、必要な量を必要な時にだけ生産する現代のものづくりにおいては、これらの分野の製品はヘラ絞り加工やスピニング加工が現実的な加工方法となります。

具体的には圧力容器やチャンバー、航空機や飛翔体の部品、蒸着装置のドーム類、回転体や遠心機の外殻を構成する部品、液体やスラリー液を攪拌させるための容器、ガスや水、空気を流すパイプ類、光を集めたり拡散させたりするリフレクター、パラボラアンテナなどがヘラ絞り加工で作られる製品に該当します。

 

工業製品

工業製品
イプシロンロケットのフェアリング(先端部品)

イプシロンロケットのフェアリング(先端)はヘラ絞りで加工されています。
フェアリングとはロケットの先っぽ部分についている“殻”のことで、空気との摩擦熱から衛星を守るためのカバーであり、非常に高度な品質基準が要求される部品です。

飛翔体やロケットの推進装置(スラスター)の外殻や構成部品などもヘラ絞りで製作される事があります。

また、現代社会には不可欠な半導体の製造過程における蒸着装置や真空チャンバーにもヘラ絞り加工が使われています。

 

オブジェ

オブジェ
拝島駅前のウォーターパール

オブジェやアート、工芸品の製作にもヘラ絞り加工が用いられています。
上の写真はクジラの潮を模したオブジェをヘラ絞り加工・板金溶接・バフ研磨などを駆使して製作した事例です。

また神社寺院階段、廻縁の高欄(手すり、欄干)の柱の上に設けられている飾りである擬宝珠もヘラ絞りで製作される事が多くあります。

ヘラ絞りはステンレス、アルミ、銅、鉄、その他多くの金属において成型加工ができ、美しい曲面を再現する事ができるため、アート作品や工芸品においてヘラ絞りで製作されたものが数多くあります。

 

生活用品

ぐい呑み
ぐい呑み

私たちに身近な製品にもヘラ絞り加工は使われています。よくあるのが食器類で、最近流行りの二重になっているチタン製のぐい呑みなどの食器類、カトラリーなど、ヘラ絞り加工が使われている身近な生活用品は枚挙にいとまがありません。

そのほか主にティンパニーやトランペット、トロンボーンなどの管楽器もヘラ絞りで製作される事があります。楽器類は形が直接音色に影響するので非常に繊細さが求められる分野です。

古くは洗面器や鍋、お釜やポットなどの製品を作るのに用いられており、ヘラ絞り加工は人々に密着した生活用品を加工する為に生まれた加工方法と言っても過言ではありません。

 

【ヘラ絞り製品】製作のご依頼は「ナガセ」へ

【ヘラ絞り製品】製作のご依頼は「ナガセ」へ

ヘラ絞り加工・製品製作の依頼先をお探しであれば、豊富な実績と高い技術力を誇る当社「株式会社ナガセ」へぜひご相談ください。半導体・光学・航空宇宙・理化学・真空装置など、精度と高い品質が求められる分野で数多くの実績を重ねてきた老舗企業です。

ベテランから若い技術者まで、高い専門性の技術を持った作業者が揃い、複合的な曲面形状や細かい肉厚調整、外観が重視される高付加価値の工業部品といった高度なヘラ絞り加工にも柔軟に対応可能です。また、手作業によるヘラ絞りだけでなく、コンピュータ制御された自動ヘラ絞り加工にも対応し、用途やロットに応じた最適な加工方法を提案しています。

さらに、ヘラ絞り加工を中核に、板金・溶接・3Dレーザー加工・バフ研磨まで一貫対応できる体制を整えているため、少量多品種、長期安定供給が求められる案件でも安心してお任せいただけます。

ヘラ絞り・スピニング加工に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

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ヘラ絞り加工で作られる製品について

ヘラ絞りは、金属板を回転させながら成形する塑性加工の一種であり、機械加工では加工しづらい薄肉の曲面加工や複合Rが加工ができ、かつプレス加工の様に必要製作数が数百~数万個というわけではない場合に非常に有効な加工方法です。

その特殊な加工方法と実現可能な形状の多さから、半導体、航空宇宙、攪拌機、回転体、真空機器などの分野で多くの製品がヘラ絞り加工によって生み出されています。

また古くから人々に身近な生活用品がヘラ絞りで加工されてきたため、現代のさまざまなものづくりの現場においてヘラ絞り加工はなくてはならない、必要不可欠な加工方法と言えます。

昨今のものづくりにおいて、「昔は加工出来たけど今は加工出来ない、又は加工出来る環境(人・資源・技術)がない」という状況に良く出くわします。

それはモノづくり現場における事業継承の難しさだったり、少子高齢化による次の担い手不足が招く問題などが原因であり、日本が世界に誇る「モノづくり」において高品質なものを安定供給することが出来なくなる事は日本の産業の弱体化にも繋がる大きな問題です。

ヘラ絞り加工はその特殊な加工方法もあって次世代への技術の継承がひとつの大きなテーマでもあり、皆さんにもぜひ「ヘラ絞りは様々な製品の加工に使われる身近な加工法」として知っておいていただければと思います。